以前、売上表や先行指標に関するお話を書かせて頂きましたが、今回はそれら表や指標が本当に役立つものであるために最も重要な事をお伝えします。
それは...

「正確なデータ」です。

ビジネスにおいて「将来の売上を予測すること」は、経営戦略の策定、在庫管理、人材配置など、あらゆる意思決定の基盤となります。しかし、予測が外れてしまえば、過剰在庫による損失、機会損失、経営資源の無駄遣いなど、深刻な問題を引き起こしかねません。そこで重要となるのが「売上予測においてより正確な予測を立てるには、正確なデータが必要である」という、一見当たり前の、しかし非常に重要な原則です。

何を当たり前の事を...と仰るかもしれませんが、CMS/CTIシステムにおいて「正確なデータ」の入力は人の手に依っている部分も未だ多くあります。手動でのデータ入力にはミスや誤入力が付きもの、という現実は既に多くの方々に知られている問題かと思います。
弊社Fu-Kakuシステムでは、CMS/CTIを連携する事によってある程度の自動入力を提供してはいますが、場合によっては手動入力が必要な項目もあります。

いつかそれら全てのデータを自動で入力される様にし、人の介在を極力無くすことで正確なデータを作成・蓄積し、やがては正確な予測に繋げる...。
弊社Fu-Kakuシステムも目指す理想の一つではありますが、これが現実には難しいことも多いです。

例えば、「加盟店のある条件に関わるデータを一括して表示する画面」を作りたいとします。それらのデータはシステムを普段運用する際に、蓄積していくデータだとします(案件データ等)。ところがそのデータの蓄積に使われるはずの"機能"は、店舗様の運用・事情によってフルに使っているところもあれば、全く使われていないケースもあります。すると、ある店舗では案件やスケジュールまで正確なデータが蓄積されていても、別の店舗では項目によってはデータが作成されない→正確なデータが蓄積されていない、という事が発生します。

そこでこの問題を解決する一つの手段として「極力手動入力を廃しシステム側で値を自動入力する」様な仕組みの実装を考えますが、今度はシステム側が自動で入力する様な項目があっても「自動で入力される値では実情に則していない」と言われる場合があります。何なら「勝手に要らない値が入っちゃうんだけど、ウチではこの項目使っていないから逆に邪魔」なんて事にも。

様々な状況・要望に対応出来る様な仕組みを作ろうとすると、今度は逆に「個々の細かいケースまでは事細かに対応するのが難しくなる」という状態が出て来るわけです。

=> 本来、逐一入力・確認されるべきデータが、場合によっては入っていない。
=> そのデータを「入力必須」にしてしまえば、他の店舗の運用に差し障りが出るので、「入力の強制」が出来ない。
=> 結果、ある店舗では(運用上必ず入力するので)必ず入っている値が他の店舗では全く入っていない...。
この状態で例えば「詳細なデータ予測を行う分析表」を作っても、「ちゃんと入力して正確なデータを保持している店舗では想定通り参照出来るが、運用上入力されていない店舗ではそもそもデータが無いので使い物にならない」表になるわけです。

「本来の想定された使い方とは違う使い方をしているんだから、その店舗にはその種の(要求される入力で得られる)データはそもそも不要なのでは?」と言いたいところですが、それで片付く話にならないのも悩ましいところです。

この辺りの「バランス」をどう取るかやどの様な項目を「自動入力とするか」など、システムとして成立させるために「要件定義」が必要ですが、幅広い業種や運用形態に対応可能な仕様策定には当然その業界に精通した知識が必要となります。
1月から少し面倒なお話となってしまいましたが、
弊社Fu-Kakuでは、今後も豊富な業界知識と経験でこうした課題に挑戦し、新たな機能の追加やシステムの洗練を続けて行きたいと思います。